インプラント(Implant=植え付ける)は、人工歯根療法とも言われ、歯が抜けたところに歯の根っこにあたる部分を埋入し、その上に人工の歯(ブルッジやクラウン)をかぶせる治療方法です。手術によって埋め込まれたインプラントは、骨になじんでしっかりと固定され、健康な歯のようにかむことができます。
インプラントは、体の中で非常に安定した素材であるチタンでできており、骨とのなじみをさらによくするために表面処理が施されています。チタンは人工関節など、さまざまな分野で使用され、生体親和性の高い材料として世界で認められています。
歯が抜けた場合の従来の治療法には、両隣りの歯を削って土台とする「ブリッジ」、または「総入れ歯」や金具で固定する「部分入れ歯」などがあります。しかし、このような治療法は土台となる歯に負担がかかったり、入れ歯に違和感を感じたり、入れ歯が動いたりする場合があります。また、歯が抜けたまま放っておくと、抜けた部分の骨は年数が経つにつれて次第に痩せていきます。こうした問題を解決するのがインプラントです。インプラントは骨にしっかりと固定されるので、自分の歯に近い感覚で物をかんだり、話したりできます。また、残っている歯にかかる負担が少ない治療法です。
インプラントそのものは、体となじみが良いチタンでできています。長持ちさせるために最も重要なことは、自分の歯と同じような毎日の手入れです。指導された正しいブラッシング方法で磨き、半年に一度は必ず定期健診を。インプラントは歯が歯周病になるのと同じような症状になったり、かみ合わせが悪くなったりする場合があります。定期的な検診は必ず受けましょう。
年齢の上限はありませんが、骨の成長がほぼ終了する16歳くらいから治療を受けることができます。ただし、あごの骨の状態によっては、治療を受けることができない場合があります。また、歯周病の場合は、残っている歯の治療を行ってからインプラントをすることになります。他の病気や健康状態によっても受けられない場合がありますので、ご相談ください。
心配な治療期間中の歯ですが、仮の歯や仮の入れ歯を入れることで、食事や会話に問題が起きないようにします。治療中も快適に過ごせるのが嬉しい点です。
インプラント治療は、自由診療扱い(自費)となっていますので、保険は使えません。実際の治療費は、使用するインプラントの本数や種類、かぶせる歯の材質や方法によって異なるので、ご相談ください。